from_SeS

from Mexico 3

00/02/24

時間を調べてたわけでもなく、多分夜に行けば夜行があるだろくらいでバスターミナルに行ったのですが、
予想通りあって安心。名残惜しいベラクルスをあとにして、向かうはパレンケ。
交通費と移動時間と日本人だらけとの情報から、当初予定していたユカタン半島行きはやめたのですが、
このパレンケまでは行かなくてはなりません。
今回の旅行に行くにあたってある指令が出されました。それは「パレンケの仮面」を買ってくること。
分からない人はSPRRIGUNを読もう(宣伝)。

さて、夜通しバスにゆられ、朝に乗り換えをしてやっと到着しました、パレンケ。
本に書いてあったホテルはぼろぼろ、かわりに新築のホテルを見つけました。
めちゃめちゃきれい!値段もすごく安い!でもシャワーがお湯がでなかった。
しかしパレンケはジャングルが近いので蒸し暑く、水で十分。それを差し引いてもいいホテルでした。
ちなみに温かいシャワーはスペイン語で「カリエンテ・ドーチェ」です。
この時から泊まる前に聞くようになったので覚えました。こうやって言葉覚えてくのね。
カリエンテは「温かい・暑い・熱い」なのでこの後も結構活用しました。メキシコ暑いから。

パレンケは小さな町でしたが遺跡が有名なため結構観光都市化しており、特に白人旅行者が多かったです。
ホテルを決めて早速どっか行こうと思って、午後から滝見学ツアーに参加。
最初の滝は普通でしたが、アグア・アズルの滝は結構凄かったです。
滝壷のあたりは水が渦巻いていて落ちたら死体も出ないそうだ。
落ちた人の墓が何個かたててあり、シャレになってません。
ここは水が奇妙に青く、綺麗なんだけど澄んだ青じゃなくて濁った青。
川の底が粘土質っぽかったので水中に混じった粒子と光の屈折とかの関係でしょうが不思議な色でした。

ここでツアーで来た白人旅行者たちが泳いだり日光浴したりしているのですが、
そこで現地人の子供とかが一生懸命もの売って歩いたりしてるわけですよ。
ここまで遊ぶ人−白人、働く人-現地人と分かれるとなんか社会の歪みを見たような気がしてしまいました。
ここはもともと彼らの国だったのにねぇ。有色人種のあたしとしては結構考えさせられる風景です。
だからって白人がヤな奴かと言うとそんなことはなく話せばえてしてイイ奴なのですが、
どうもこの階級社会ってのはやな感じですね。

ところで今回の旅行中何故かやたらに「今何時か?」と聞かれました。
最初は何言ってるか全然分からなかったのですが、一度パパントラでカップルに「これこれ」と
ジェスチャーで腕時計を指差して教えてもらってから注意して聞くと、いきなり何か尋ねてくる人はたいてい
「ア ケ オラ」カ「ティエネ オラ」と言っているのが分かりました。共に時間を尋ねる意です。
最初のうちはついつい英語で答えるのですが、奴らワンツースリーも通じないもんですから
直接時計を見せていましたが、途中で数字は覚えたのでスペイン語で答えてやると、
「ほう、やるな」みたいな顔して礼を言われたりしたので、東洋人からかって遊んでんのかもと思った。

この時同じコレクティーボ(バス兼タクシーみたいなの)に一人日本人の女性がいたのですが、
先に彼女と同行してた絵に描いたようなアメリカ人が、
「彼女の名前はハノキだそうだ。日本では多い名前か?」とか聞いてきたのですが、
後で彼女が帰ってきたので聞くとヒロミで、アメリカンは「Oh!sorry!でも似たようなもんだ。」と言ってた。
私はめんどくさいので名前は「ヨシ」と言ってます。長いと覚えられないからあいつら。
これですら「ジョン」とか「ホセ」とか言われてたけど。

そんなこんなでこの日はツアーなんぞを楽しみました。今まで一人で勝手に歩く旅が多かったので、
こういうのもいろんな旅行者と同行できて結構楽しいので、明日は一日ツアーに参加してみようと思って、
予約してから宿に帰りました。
ここのホテルのオーナーは例によって全く英語通じませんでしたが、隣に住んでる妹さんが話せて助かりました。
彼女の5歳くらいの娘さんに私の海外必殺技の折り鶴をあげると、
「ぐーらーしーあーす!」とお礼を言ったのがかわいかった。こういうのってどこも同じね。
子供見てると絶対世界中の人間が仲良くなれるはずだと思う。みんなおんなじだから。
別に私が世界平和を論じてもしょうがないのですが。

部屋に戻ると出かける前に干したTシャツがなくなっていたので、風にでも飛ばされたかと思って、
隣の工事現場のおっちゃんに尋ねたのですが、またまた英語が通じません。
(偉そうに言ってるみたいだけど俺が話すのがすごい駄目な英語だからというのもある)
まぁいいやと思ったのですがその大工さんが偉い親身になってくれて、あいつなら分かるかも、と
いろんな人のところに連れまわされて、近所の店とかもまわって、だんだん伝言ゲーム状態になって、
最後は何の話か分かんなくなってた感じ。それはそれで楽しかったです。
大工さんにお礼を言って帰ろうと思ったところ、
別の大工のおっちゃんが「まぁ座れや」と言ってビールをくれました。「まぁ飲めや」と言うとこですね。
ビールはスペイン語でセルベサで、テキーラは酔っ払って仕事にならんがセルベサはいい、と言ってました。
ちなみに当然全部スペイン語。私スペイン語分かりません。でも絶対そう言ってた。
ビールのお礼に肩をもんであげたら、「おぉ、なんか力が出てきたぜ」みたいなことも言ってた。絶対そう。

Tシャツは見つからなかったけどおかげでもっと大事なものを手に入れたパレンケの夜でした。

ああっ一日分でこんなに書いてしまった。